ブラウザが構築する支援技術とやりとりするためのアクセシビリティツリーを操作できるAPI、Accessibility Object ModelというAPIが WICG で議論されていて、すでにいくつかのブラウザでは実験的な実装もされています。
AOMは、断片的に読むことはあったのですが、今月の25日(日)に開催されるHTML5 Conference 2018でウェブのセマンティクスやマークアップについて登壇する機会をいただきいたということもあり、きちんと読み込むついでに日本語に訳しはじめました。
The Accessibility Object Model (AOM) 日本語訳 | aom
日本語訳したのは、仕様と解説ですが、このAOMのリポジトリ内での仕様の策定は今後なされなさそうなので、仕様を見る必要性は薄いと思います。
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)の翻訳ワーキンググループで活動しているとはいえ、ほとんど幽霊部員と化していることもあり、まとまった一文書を一人で翻訳する、というのは初めてで、かつ英語力があるわけではないので、間違いも多かろうと思います。その辺はご容赦いただき、GitHubへissueやPull Requestをいただけると嬉しいです。
AOM
今回、翻訳したAOMはかなりざっくりいうとJavaScriptからセマンティクスを作るためのAPIです。
AOMの主なターゲットは、JavaScriptフレームワークやウェブコンポーネントの作者、ウェブの可能性を広げようとしている大きなアプリケーションの開発者とされていますが、現状WAI-ARIAを用いてウェブサイト、もしくはウェブアプリケーションをアクセシブルにしようとしている人にとっても、いろんなブラウザに実装されるのが楽しみなものになっていると思います。少なくとも僕はすごく楽しみです。
HTML5 Conference 2018
そしてAOMの紹介に加えて、これまでのセマンティクスの作り方を交えた話を「セマンティクスの作り方、これまで、今、そして未来」と題して@o_tiと11/25(日)HTML5 Conference 2018でお話します。二人で話すのは先月のDIST #23に続いてですが、内容的にもちょうど続きの話というイメージです。
一般枠はすでに定員1,600人にたいして2,000人を超える申込みがあるようで、これからの参加は難しいかも知れませんが申し込みされている方でご興味がある方は是非お聴きにいらしてください。
また勤務先にて、HTML5 Conference2018 スカラシップの募集を開始しているみたいです。遠方にお住まいの学生の方で、私のセッション以外でもカンファレンスにご興味があれば応募してみてはいかがでしょうか。