振り返る。来年のことはあまり書けなかった。
仕事
SmartHRに転職したのが2021年の一番大きなできごとだった。
サイバーエージェントを退職してSmartHRに入社します / masuP.net
フロントエンドエンジニアからデザイナーへ
単に勤務先が変わっただけでなく、フロントエンドエンジニアからデザイナーへと肩書きが変わったことは大きかった。これまではエンジニアとしてデザインする立場から、プロダクトのデザインに「責任」を持つ立場に。
開発する上でのステークホルダーやユーザーに対しての説明責任もあり、他職種とコミュニケーションをする機会も増えたし、その上でUIに対する評価がより自分自身にダイレクトに響くようになった。
「使いにくい」「使えない」をより自分ごととして受け止めるようになった、というか。いい意味でプレッシャーは感じている。
ただし責任があるということは、自分に裁量があり意思決定できるということでもある。こうなってたらいいのに、ができる。責任を持つことの大変さを楽しめているように思う。いまはとても楽しい。
デザイナーとしての仕事
デザイナーとしての仕事のアウトプットがなかなかできていなかったが、入社してからは主に従業員サーベイの開発チームに入ってデザイナーをやっている。
狭間人間的フィーチャー開発
従業員サーベイチームでの大きな仕事は、分析機能の一部リニューアルだった。私は主にUIデザインとフロントエンドを担当した。
チームに入ったときにはすでに既存の分析機能の課題が発見・整理され改善の方向が決まっていたため、それを形にすることが主な役割。9月まではフロントエンドを主領域とするエンジニアがいなかったためフロントエンドも広く見ていた。
細かく言えば、分析で用いるピボットテーブルのためのライブラリの選定や技術検証、DB設計のレビュー、Figmaによるモックアップの作成、コンポーネントの実装、状態管理の方針立てなどなど。
もちろん一人ですべてをやったわけではなくチームでやっていて、エンジニアとペアプロ、モブプロを通じてデザインの意図を伝えたり、コンポーネントだけ作って組み込んでもらったりという形で分担していた。
各開発チームでどう振る舞うかはそれぞれのデザイナーに任されているので、デザイナーだったとしてもコードを結構書けている。書けない時間が長く続くと、発作的にカッっとなってしまうこともあったが、直近は少なくなってきたかも。
フロントエンドエンジニアが不在のチームだったことは漸次的なロールの切り替えになってよかったかもしれない。
UIへの負荷をもっともっと前倒しに
また大きなフィーチャーに取り組む中でデザインプロセスの改善もやれたのは良かった。
従業員サーベイの開発では、私が参加するまで(初期開発フェーズ)は早くサービスをローンチするために情報設計から詳細なモックアップを経ずに実装に移っていた。
これはSmartHR UIというUIライブラリがあるので、ある程度の情報設計ができていればすぐにUIに移れるし、前任者も実装が得意なデザイナーであったからだ。実際に短い開発期間でサービスはローンチされ、利用も進みどんどん改善点が出てきた。
改善や機能追加のフェーズになると改善案が機能するかどうかの検証を精度良く行い、改善を細かく出していくことも必要になってきた。そこでStorybookとFigmaを導入して、開発プロセスの前段階でUIへ負荷をかけられるようにしていった。
Figmaでモックアップ
レイアウトのアイデアなどをまず形にしてみて、荒い段階でチームに共有してフィードバックを得たり方向性を調整するのには、やはりコードを書くよりもデザインツールによるモックアップのほうが早い。
開発チーム以外のステークホルダーからフィードバックを得るにも(ある程度)精細なモックアップは有用だったし、UXライターとの文言検討も実際のレイアウトの中で行えるため、精度が上がったように思う。
デザインツールでモックアップを作るのは初めてだったけど、SmartHR UIのFigmaライブラリとAutoLayoutのおかげでなんとかなっている。
Storybookの導入
またStorybookを導入することで、実装されたものへの負荷(レビュー)も早い段階でかけられるようになった。機能がすべて完成していなくても、コンポーネントの実装が完了していればUIの手触りを検証することができる。実際にスプリントレビューでStorybookのコンポーネントに触れてもらって検証しプロダクトに組み込む前に改善する、ということができている。
新規開発されるコンポーネントだけでなく、既存のコンポーネントも積極的にStoryを作成していった。特に9月に参画してくれたフロントエンドエンジニアが隙間時間にStoryを書きまくってくれたおかげで、想定したよりも早く今年中にVRT(Visual Regression Testing)の運用を開始することができている。なおVRTにはChromaticを利用したのだけれど、すごい簡単でびっくりしちゃった。
VRTがあるおかげで、意図しないUIの変更を防ぐことができプロダクトの品質向上にも役立っている。
その他、スプリントレビューに短いシナリオを用いた簡易ユーザービリティテスト形式を導入したり、ドッグフーディングの推奨をしたりなどなど、いまあるプロダクトの改善をどう回すか、ということは結構できたんじゃないかなー。
あ、あとプロダクトだけでなくチームもすごく良くなっていて単純に楽しい。スクラムには最初は慣れなかったし実は懐疑的でもあったんだけど、スプリントを経るごとにチームが良くなっていくのを目の当たりにして、いい意味で手のひらクルーしてる。
課題もたくさんあって、個々のスキル的にはやっぱり意匠やレイアウトの引き出しが足りない。さらにリサーチ、ライティングなどなど。
だけど、そこは同僚のエキスパートのレビューを受けながらなんとかやれているし、なんといってもSmartHR UIとSmartHR Design Systemのおかげでデザインワークできている。先人への圧倒的な感謝。
その他
その他、開発チームに入っての仕事以外にはSmartHR UIの運用・改善をやったりアクセシビリティのことをやったり、期の途中から開発チームを掛け持ちしたり忙しくやっている。
アクセシビリティに関する活動は年始にきっと振り返るんじゃないかな!
副業
副業も引き続きやっていて
- デザインもわかるウェブフロントエンドとしての仕事
- ウェブフロントエンドもわかるデザイナーとしての仕事
こういうところに需要があるんだなーって感じてる。いまは原稿を書いていることもあって、元々ないキャパシティがパンパンなので、来年はもうちょっとゆっくりしたいなという気持ち。
原稿
オンスクリーンタイポグラフィ
オンスクリーン タイポグラフィの執筆に参加 / masuP.net
実際に書いてたのは、昨年だけどこれも出たのは今年かー。なんかもはや遠い記憶。デザインの本でアクセシビリティのことが書けたのはよかった。
SmartHRが実例で解説!業務アプリケーションにおけるデザインアプローチの心得
勤務先のプロダクトデザイングループのデザイナー陣で執筆したCreatorZineの連載。私はアクセシビリティについて書きました。まとまってKindle本にもなっているのでぜひ。
Amazon.co.jp: SmartHRが実例で解説!業務アプリケーションにおけるデザインアプローチの心得(CreatorZine Digital First) eBook
某原稿
今年中に書き切れなかったけど、最後の追い込み中...もっと文章かけるようになりたい...
東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイトのアクセシビリティ試験
あとこれは副業というよりはOSSへのコントリビュートだけど、東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイトのアクセシビリティ試験を@magi1125と実施した。昨年に引き続き、なんだけど昨年にはこんなに息の長いサイトになるとはなぁ...(禍が続いてしまってる的な意味で)
登壇・イベント
あんまり活動できてなかった、かもって思ったけどそこそこやっていた。
- Web24 Accessibility 登壇
- GAAD Japan 2021「アクセシブルなUIライブラリがアクセシブルなサービスを作る - SmartHR UIのアクセシビリティ向上事例」
- CEATEC Webアクセシビリティセミナー2: なぜ企業はWebアクセシビリティに取り組むのか?
- 【非公式】なぜ企業はWebアクセシビリティに取り組むのか?【反省会】
- Code for Japan コントリビューター感謝祭「アクセシビリティナイト」
あんまりしてなかった気がしたけど、それなりに登壇していたかも。全部オンラインだったなー。
ブログ
こっちのブログはあんまりかけてなくて。。。そのかわりアメブロのドッグフーディングで始めたごはんブログは完全に習慣化。なんと153記事も書いていた。来年はもうちょっとちゃんとした文章も書いていきたい…
#deisui_html_radio
この前振り返ったけれど、やはり転職やらなんやらであまり力をいれられなくて申し訳...
2022年の deisui は……
— 越智 (@otiext) December 29, 2021
・Lo-Fi な感じにしたい
・マーカッ歩したい
・ますぴーをゲストにしたい
・オフラインで deisui したい
・屋外収録したい
・居酒屋から配信したい#deisui_html_radio
オフラインでやりたいよね〜
生活
健康
昨年末ぐらいから飲んでなかったんだけど、1年を通してあんまり酒を飲まなくなった。というより家で飲まないと飲む機会がなくて。オンライン飲み会でもノンアルコールだけ、ってこともしばしば。とはいえたまーに飲みたくなるんだけど。
あと体力の衰えを感じるようになりました。いよいよ年か...と思ったんだけど単に運動不足だなってことに。
ダイエット
ということで体力づくりもダイエットも兼ねて、11月からRIZAPに通って糖質制限と筋トレによるダイエットを始めた。あと自主的にウォーキングとか。結果としては約2ヶ月で体重は-8kg、ウエスト-8cm。しかも筋肉量はほとんど落ちていない。
わかりやすく結果が出てスゲー、たのしーとなっている。社会人になって一番痩せてるかも。
体力的にも気圧でしんどいときはまだまだあるんだけど、晩ごはん食べたらもうなんもできん…みたいな日は少なくなったかなぁ。と言っても11月に始めたので、今年1年のほとんどは低出力だった気がする。
家族
月に一度、定例で家族会議をするようになった。Dropbox Paperに議事書いて夫婦でTODO、スケジュール、家事、育児、お金のこと、その他なんでもについて共有と相談と意思決定を。
仕事でも期待値調整大事だけど、家族とも期待値調整大事だよね、って痛感
読書
子どもも大きくなって色々と本が読めるようになったので、子どもたちと本を共有するために本棚を買って紙の本を積極的に買うようにした。週末に最寄りの本屋に行ってそれぞれ1,2冊買うみたいなことをやっている。以下は今年読んで面白かったなーって本(漫画含む)
- More Effective Agile ~“ソフトウェアリーダー"になるための28の道標
- 因果鉄道の旅
- 共用品という思想――デザインの標準化をめざして
- 「利他」とはなにか
- 東京23区×格差と階級
- 違国日記
- コーポ・ア・コーポ
特に「共用品という思想」がすごく良くて、なんで半年も積んでしまっていたんだ…と後悔したぐらい。
旅
キャンプにいったり、福岡に行ったり、制限の中でなんとかやれたなーって思うけど、一人旅らしい一人旅ができてないのは若干のストレス。来年こそは沖縄行きたい。
麻雀
オンライン麻雀大会をやったり、少し同僚と打ったりしたぐらい。来年は麻雀部立ち上げたい。
雀魂では雀豪をなんとかキープというところ。
仕事の振り返りに時間使いすぎて他が若干おざなりだし、別記事にすればよかった...って思ったけど、まぁいいか。